幼児生活団について

 幼児生活団は「婦人之友」「自由学園」「友の会」の創立者 羽仁もと子によって始められた教育団体です。

 羽仁もと子は「どんな幼い子どもでも、子どもの生命の中には自ら生きる力が与えられている。親は子どもによい教育をさせたいと願うけれど、よく教育するとは、ただただよい生活をさせるということである。それは『生活即(すなわち)教育』ということだ」という考えを持っていました。そして幼児の教育はどのような形が望ましいかと考え、1939年(昭和14年)に幼児生活団が自由学園に創設されました。その教育をもとに東京友の会幼児生活団は1955年に発足し、2022年3月には66回目の卒業生を送り出しました。

 

 創立者の言葉「よく教育するとは、よく生活させることである」を基本とし、子ども達が心もからだも、ひとり立ちできるように楽しく励み合う教育の場です。


子どもの集まる日(集合日)

 同じ年齢の子ども達が週に一回集まり、お友達との交わりの中で力いっぱい1日を過ごします。集合日で経験したり感じたことを、次の集合日までゆっくり思い出したり、やってみたりして少しずつ自分の力になっていきます。

 基本的なよい生活習慣が身につくように、4才組、5才組、6才組と繰り返し励みます。生活講習は年上の子ども達から教わります。子ども同士が教えたり教わったりすることで、やってほしいという気持ち、やってみようという気持ちが芽生えます。



音楽

 音楽を通じて子ども達の豊かな感性をはぐくむために、生活で経験したことを音で表したり、歌を作って歌ったり、いろいろな楽器で合奏したりします。5才組からはソルフェージュ、ピアノのレッスンがあります。


美術

 特別な才能教育として教え込むのではなく、子ども達の集まりの中にある自然な色、形、音を感じる心を育てます。自分の感じたものを自由に描いたり、友達と力を合わせて絵や作品を作り上げます。


動物・植物のお世話

4才組では十姉妹、5才組ではモルモット、6才組では鳩のお世話をしたり、季節に合わせていろいろな植物を育てます。動物や植物の成長にふれることで、小さな命を愛し、よく見る力や根気強さを養い、働く楽しさを知ってほしいと願っています。


お食事

子ども達が温かい食事を皆で一緒にいただけることを大切にしています。お食事はおうちの方が心を込めて手作りしています。


 

生活団では子供を育てるために父母会で話し合い、家庭と指導者が協力して進めていきます。